第５回ゼミを終えて - おかじ

2020/10/21 (Wed) 23:59:01

お疲れ様です。
映画『巴里のアメリカ人』におけるみなさんのプレゼンテーションによって、アダムの抱える理想と現実についてやジェリーの抱く夢と現実について理解を深めることができました。この講義を受講する前に鑑賞した際は、ジェリーが自身の自画像を消すシーンが映し出されたため、有名な画家を目指すジェリーの物語なのではと考えていました。しかし、作品の後半では画家としてどうなったのか全く触れられることなく、素直に愛し合うことのできない男女の物語として幕を閉じることにどこかすっきりしていませんでした。その後、講義内の末廣先生の解説や先輩方のスライドを拝見して、第二次世界大戦後のフランスにおける文化や芸術に対する憧れが主人公であるジェリーの原点であり、リズと出会ったことで彼女と過ごしたいという思いがよりフランスへの想いを強くさせているのだと知りました。アメリカとフランスの融合やその区別が衣装や挿入歌を用いて表現されていることから、アメリカ人の抱くフランスに対する芸術の優位性の提示として受け取ることも可能です。自身では気付くことのなかった新たな知識や異なる視点を知り、ジェリーの自画像を消す意味合いが変わりました。